044334 ランダム
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屈折する光

 多分、人の心など理解できると思ってるようでは、何も分かりはしない。 私が抱えていた心の闇と、皮肉にも同じだったようだが、そんなこと、 分からなかっただろう。見た目だけで判断すると、見逃してしまうからだ。 しかし、だからこそ、少しずつ理解できたのかもしれない。だが、私は心を 固く閉ざす選択をした。私の狂気が日に日に酷くなっていたからだ。人が近づく べきではない、嫌な感じだ。それを喩えるならば、恐怖を感じる存在を、子供の落書きに変えてしまえるくらいの、孤独。 真実などない。ただ、残りカスだけがある。僅かな記憶。私の持っているものなど、役には立たないだろう。全て、崩壊した存在が持っていってしまった。だが、人の負の感情が残されていた、それらから読み解き、怒りや憎しみを捨てて、知ろうと努めた。失われた大切な何かを。人として生きる為に必要だから。 洞窟の中に浮かぶ景色は、光のいたずらで本来の洞窟とは違う景色だった。でも、それを見ていると、光の心が見えてくるかもしれない。そう立ち去る風は囁く。


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